2025.05.18
踵の痛み、アキレス腱炎かもしれません
今回は「アキレス腱炎」についてお話していきます。
症状の概要
アキレス腱炎とは、かかとの骨とふくらはぎの筋肉をつなぐ太くて強い腱であるアキレス腱に炎症が起こり、痛みや腫れが生じる状態です。
具体的には、
- アキレス腱周辺の痛み
- 腫れ
- 熱感
- 運動時や運動後の痛み
- 朝起きた時や、しばらく休んだ後に歩き始めるときに強い痛みを感じる
- つま先立ちで痛みが増す
といった症状が挙げられます。
症状の原因
アキレス腱炎の原因として、
- ランニングやジャンプなど、アキレス腱に負担のかかるスポーツ
- 急な運動量の増加
- 長時間歩行
- 不適切な靴
- アキレス腱周りの筋肉の柔軟性不足
- 加齢によるアキレス腱の変性
- 扁平足や回内足などの足の形状
などが考えられます。
特に、運動不足の方が急に運動を始めたり、使い古した靴で運動を続けたりすると、アキレス腱に過度な負担がかかりやすくなります。
症状の治療法
アキレス腱炎の治療法としては、当院では以下のような方法を用いて症状の改善を目指します。
- 安静にする
痛みがあるときは、運動量を減らし、アキレス腱を休ませることが大切です。 特に、痛みが増すような動作は避け、負担をかけないようにしましょう。
- 電気治療
電気治療は、痛みや炎症を軽減するために用いられます。 ハイボルテージ治療は、高電圧の電気を用いた治療法で、強い痛みに対して即効性があります。 炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。 立体動態波治療は、深部の筋肉まで刺激する治療法で、筋肉の痛みや緊張を和らげる効果が期待できます。
- テーピング療法
アキレス腱をサポートし、負担を軽減するために、テーピングを行います。
- 手技療法
ふくらはぎの筋肉の緊張を和らげ、アキレス腱への負担を軽減します。 足首の関節の動きを改善することも重要です。
- 運動療法
ストレッチや筋力トレーニングなどを行い、アキレス腱やふくらはぎの筋肉の柔軟性を高め、足首の安定性を改善することで、アキレス腱への負担を軽減し、再発を予防します。 当院では、EMS(Electrical Muscle Stimulation)を用いた体幹の筋力強化も行っております。 EMSは、電気刺激によって筋肉を収縮させることで、効率的に筋力アップを図ることができます。
改善事例
症例:
60代女性。 最近、朝ベッドから起きて歩き出しで踵の後ろからアキレス腱にかけて痛みを感じるようになった。 日中も歩いていると徐々に痛みが強くなる。
改善例:
問診と検査の結果、アキレス腱炎と診断。
まずは、ハイボルテージ治療で炎症を抑え、痛みを軽減。 テーピングでアキレス腱をサポートし、歩行時の負担を軽減しました。 手技療法でふくらはぎの筋肉の緊張を和らげ、足首の関節の動きを改善。 痛みが落ち着いてきたら、アキレス腱やふくらはぎのストレッチ、足首周りの筋力トレーニングなどの運動療法を開始しました。 靴の選び方や、日常生活での注意点なども指導しました。
その結果、朝起きた時の痛みは軽減し、日中の歩行も楽になりました。 趣味の散歩も痛みなく楽しめるようになり、日常生活の質が向上しました。
アキレス腱炎は、放置すると慢性化し、日常生活に支障をきたす可能性があります。 踵の後ろからアキレス腱にかけて痛みを感じたら、早めにハーモニー仙川中央整骨院にご相談ください。
副院長 板倉 基二