2025.05.17
「テニス肘」はテニスをしていなくてもなる?むしろ「マウス肘」が多いです!
今回は「テニス肘」についてお話していきます。
症状の概要
テニス肘は、正式には「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」と呼ばれ、肘の外側にある骨の突起(上腕骨外側上顆)とその周辺の筋肉や腱に炎症が起こり、痛みが生じる状態です。テニスをする人に多いことからこの名前がついていますが、テニスをしない人にも起こりえます。
具体的には、
- 肘の外側の痛み
- 物を持ち上げる時に痛む
- ドアノブを回す時に痛む
- タオルを絞る時に痛む
- 手首を反らす動作で痛む
といった症状が挙げられます。
症状の原因
テニス肘の原因として、
- 手首や指を繰り返し使う動作
- デスクワークでのマウス操作
- 重いものを持ち上げる作業
- 家事(調理、掃除など)
- スポーツ(テニス、ゴルフなど)
- 加齢による腱の変性
などが考えられます。
特に、手首を反らしたり、指を伸ばしたりする筋肉(短橈側手根伸筋など)が繰り返し使われることで、腱の付着部に負担がかかり、微細な損傷と炎症が生じます。
症状の治療法
テニス肘の治療法としては、当院では以下のような方法を用いて症状の改善を目指します。
- 安静にする
痛みが強い場合は、肘や手首を安静にし、負担のかかる動作を控えることが重要です。
- 電気治療
電気治療は、痛みや炎症を軽減するために用いられます。 ハイボルテージ治療は、高電圧の電気を用いた治療法で、強い痛みに対して即効性があります。 炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。 立体動態波治療は、深部の筋肉まで刺激する治療法で、筋肉の痛みや緊張を和らげる効果が期待できます。
- テーピング療法
肘や手首の動きをサポートし、患部への負担を軽減するために、テーピングを行います。
- 手技療法
肘や前腕の筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、痛みを軽減します。 また、関節の動きを改善することも重要です。
- 運動療法
痛みが軽減してきたら、肘や手首周りの筋肉のストレッチや筋力トレーニングを行い、再発を予防します。
改善事例
症例:
30代男性。 IT関係の仕事で、毎日長時間パソコン作業をしている。 最近、マウスを長時間使用していると肘の外側が痛むようになり、ペットボトルの蓋を開けるのも辛い。
改善例:
問診と検査の結果、テニス肘と診断。
まずは、ハイボルテージ治療で炎症を抑え、痛みを軽減。 テーピングで肘と手首をサポートし、負担を軽減しました。 手技療法で前腕の筋肉の緊張を和らげ、肘関節の動きを改善。 痛みが落ち着いてきたら、肘や手首周りのストレッチや、負担のかからない範囲での筋力トレーニングなどの運動療法を開始しました。 パソコン作業時の姿勢やマウスの持ち方、休憩の取り方などのアドバイスも行いました。
その結果、肘の痛みは軽減し、ペットボトルの蓋も楽に開けられるようになりました。 パソコン作業中の痛みも軽減し、仕事に集中できるようになったと喜んでいらっしゃいます。
テニス肘は、放置すると慢性化し、日常生活に支障をきたす可能性があります。 肘に痛みを感じたら、早めにハーモニー仙川中央整骨院にご相談ください。
副院長 板倉 基二