2025.05.21
サッカーなどのスポーツで股関節が痛い…恥骨結合炎かも?
ハーモニー仙川中央整骨院です!
今回は「恥骨結合炎(ちこつけつごうえん)」についてお話していきます。
症状名:恥骨結合炎
症状の概要
恥骨結合炎とは、骨盤の前面にある左右の恥骨をつなぐ「恥骨結合」という部分に炎症が起こり、痛みを生じる状態です。この痛みは、股関節の動きや体幹の安定性にも影響を与えることがあります。
具体的には、
- 股関節の付け根、特に下腹部の中心に近い部分の痛み
- 立ち座り、寝返り、階段の昇り降りで痛みが増す
- 片足立ちや、足を大きく開く動作(キック動作など)で痛みが強くなる
- 恥骨部分を押すと痛みがある
- 鼠径部(そけいぶ)や太ももの内側まで痛みが広がることもある
といった症状が挙げられます。
症状の原因
恥骨結合炎の原因として、
- サッカーや陸上競技など、股関節に大きな負担がかかるスポーツ(特にキック動作や急な方向転換の繰り返し)
- 妊娠・出産による骨盤の変化や靭帯の緩み
- 腹筋や内転筋(太ももの内側の筋肉)の使い過ぎや筋力バランスの崩れ
- 骨盤の歪み
- 姿勢の悪さ
などが考えられます。 スポーツ選手の場合、繰り返しの負荷が恥骨結合に集中することで炎症が起こりやすくなります。
症状の治療法
恥骨結合炎の治療法としては、当院では以下のような方法を用いて症状の改善を目指します。
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安静にする
痛みが強い場合は、患部に負担をかけないように運動を控え、安静にすることが重要です。
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電気治療
電気治療は、痛みや炎症を軽減するために用いられます。 ハイボルテージ治療は、高電圧の電気を用いた治療法で、強い痛みに対して即効性があります。 炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。 立体動態波治療は、深部の筋肉まで刺激する治療法で、筋肉の痛みや緊張を和らげる効果が期待できます。
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手技療法
恥骨結合に負担をかけている、腹筋や内転筋などの股関節周辺の筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。 また、骨盤全体のバランスや歪みを整えることで、恥骨結合への負担を軽減し、根本的な改善を図ります。
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運動療法
痛みが軽減してきたら、腹筋や内転筋、臀部(お尻)の筋肉の柔軟性を高め、体幹を安定させるためのストレッチや筋力トレーニングを行います。 正しい体の使い方や姿勢の指導も行い、再発予防に努めます。
改善事例
症例:
10代男性。 サッカー部に所属しており、練習中に股関節の付け根に痛みを感じるようになった。特に、ボールを蹴る動作やダッシュをする時に痛みが増し、練習に集中できない。
改善例:
問診と検査の結果、恥骨結合炎と診断。
まずは、ハイボルテージ治療と立体動態波治療を併用し、炎症と痛みを軽減させました。 手技療法で股関節周辺の筋肉の緊張を和らげ、骨盤の歪みを調整。 痛みが落ち着いてきたら、腹筋や内転筋のストレッチ、体幹を安定させるための運動療法を開始しました。 サッカーのキックフォームやランニングフォームの指導も行い、股関節への負担を軽減する体の使い方を指導しました。
その結果、股関節の痛みは軽減し、サッカーの練習に復帰できるようになりました。 今では痛みなく全力でプレーできるようになったと喜んでいらっしゃいます。
恥骨結合炎は、スポーツをされている方や妊娠中・産後の女性に多く見られる症状です。 股関節や下腹部の痛みを感じたら、放置せずに早めにハーモニー仙川中央整骨院にご相談ください。
副院長 板倉 基二