腕の上げ下げで肩が痛む…回旋筋腱板損傷について

2025.05.15

腕の上げ下げで肩が痛む…回旋筋腱板損傷について

今回は「回旋筋腱板損傷(かいせんきんけんばんそんしょう)」についてお話していきます。

症状の概要

回旋筋腱板とは、肩関節を安定させ、腕を様々な方向に動かす役割を持つ4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)とその腱の総称です。回旋筋腱板損傷とは、これらの腱のいずれか、または複数に断裂や炎症が生じた状態を指します。

具体的には、

  • 腕を上げたり、伸ばしたりすると肩が痛む
  • 特に、ある特定の角度で痛みが出やすい
  • 夜間痛がある
  • 肩の力が入りにくい、上がりにくい
  • 肩を動かすと引っかかるような感じがする

といった症状が挙げられます。

症状の原因

回旋筋腱板損傷の原因として、

  • 加齢による腱の変性
  • 肩の使い過ぎ(野球、テニス、水泳などのスポーツ)
  • 転倒や肩への強い衝撃
  • 肩関節の不安定性
  • 肩峰(けんぽう)と呼ばれる骨の形状による腱との摩擦

などが考えられます。

症状の治療法

回旋筋腱板損傷の治療法としては、当院では以下のような方法を用いて症状の改善を目指します。

  1. 電気治療

電気治療は、痛みや炎症を軽減するために用いられます。  ハイボルテージ治療は、高電圧の電気を用いた治療法で、強い痛みに対して即効性があります。  炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。  立体動態波治療は、深部の筋肉まで刺激する治療法で、筋肉の痛みや緊張を和らげる効果が期待できます。

  1. テーピング療法

肩関節の安定性を高め、腱板への負担を軽減するために、テーピングを行います。

  1. 手技療法

肩周りの筋肉の緊張を和らげ、関節の動きを改善することで、痛みを軽減し、肩の可動域を広げます。  肩甲骨の動きを改善することも重要です。

  1. 運動療法

肩周りの筋肉、特に腱板の機能を回復させるためのストレッチや筋力トレーニングを行います。  正しい肩の使い方や姿勢の指導も行い、再発予防に努めます。

改善事例

症例:

50代男性。 趣味のテニスでサーブを打つ際に、肩の前から外側にかけて痛みを感じるようになった。 最近では、日常生活でも腕を上げたり伸ばしたりする際に痛みが出て、着替えも辛い。

改善例:

問診と検査の結果、回旋筋腱板損傷と診断。

まずは、ハイボルテージ治療で炎症を抑え、痛みを軽減。 テーピングで肩関節をサポートし、負担を軽減しました。 手技療法で肩周りの筋肉の緊張を和らげ、肩甲骨の動きを改善。 痛みが落ち着いてきたら、腱板の機能を回復させるためのストレッチや、肩周りの筋肉を強化するトレーニングなどの運動療法を開始しました。 テニスをする際のフォームについてもアドバイスを行い、再発予防に努めました。

その結果、腕を上げたり伸ばしたりする際の痛みは軽減し、テニスも以前のように楽しめるようになりました。

回旋筋腱板損傷は、放置すると慢性化し、肩の機能低下につながる可能性があります。 腕を上げたり伸ばしたりする際に肩に痛みを感じたら、早めにハーモニー仙川中央整骨院にご相談ください。



副院長 板倉 基二